妊娠中の食事の基本!おすすめの食事と避けるべき食べ物を伝授

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妊娠中に食べた方がいいものはあるのか、避けた方がいい食べものや栄養素はあるのか、気になりますよね。妊娠すると何気なく口にした食べものが、お腹の赤ちゃんに影響を与えます。

この記事では妊娠中に積極的に食べた方が良いもの、避けるべきもの、摂取量に注意するべきものについて紹介します。体重管理の必要性など、妊娠中の食事で押さえておくべきポイントについても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

妊娠中の食事で積極的に摂取したい栄養素とは?

妊娠中は、赤ちゃんの成長に求められる葉酸や、普段よりも多くの血液を補うため鉄分など意識的に摂取すべき栄養素があります。

ここでは妊娠中の食事で積極的に摂取したい栄養素を7つ紹介します。

葉酸

葉酸は細胞の生産や再生を助け、身体の発育に役立つ、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素です。妊娠前、妊娠中に摂取することで、神経管閉鎖障害や無脳症、貧血や早産の予防につながります。

葉酸を多く含む食材は下記項目が当てはまります。

・ほうれん草

・ブロッコリー

・アスパラガス

・納豆

・鶏卵 など

妊娠中には1日480μgの摂取が推奨されていますが、食事のみでこの量を摂取することは非常に難しいため、サプリメントの服用もおすすめです。

妊娠中はママから赤ちゃんへ、血液を通して栄養が送られるため、大量の血液が必要になります。鉄が不足すると貧血を引き起こすため、妊娠中は非妊娠時の約3.1倍の鉄の補給が重要です。

鉄を多く含む食材は下記項目が当てはまります。

・豚レバー

・牛ヒレ肉

・あさり

・がんもどき

・小松菜 など

とくにつわりが落ち着く妊娠中期以降は、積極的に摂取しましょう。

たんぱく質

たんぱく質は、赤ちゃんの筋肉や皮膚、骨や血液を作る働きがあり、ママの体力や代謝を上げるためにも重要な栄養素です。

たんぱく質を多く含む食材は下記項目が当てはまります。

・鶏ささみ

・豚ロース

・かつお

・木綿豆腐

・卵 など

低脂質の動物性たんぱく質や、植物性たんぱく質を積極的に摂りましょう。 

カルシウム

カルシウムは赤ちゃんの骨や歯を作る、妊娠中や授乳期に欠かせない栄養素です。日本人女性は全体的にカルシウムが不足しがちだと言われています。

カルシウムを多く含む食材は下記項目が当てはまります。

・牛乳

・ヨーグルト

・チーズ

・ししゃも

・桜えび など

カルシウムが不足すると将来的に骨粗しょう症を引き起こす可能性があるため、意識的に摂取しましょう。

ビタミンC

ビタミンCには赤ちゃんの骨や血管を丈夫にし、ママの免疫力を高める働きがあります。

また、鉄の吸収をサポートする効果もあります。

ビタミンCを多く含む食材は下記項目が当てはまります。

・キウイフルーツ

・レモン

・いちご

・ブロッコリー

・パプリカ など

野菜類の鉄分はそのままでは吸収されず、ビタミンCの力を借りて体内に取り込まれるため、積極的な摂取が重要です。

ビタミンB群

炭水化物やたんぱく質、脂質などを摂取しても、ビタミンB群が足りていないと代謝がうまくいきません。ビタミンB12には貧血を改善する効果があり、ビタミンB6はつわりの改善や肌荒れの予防などにも効果があります。

ビタミンB群を多く含む食材は下記項目が当てはまります。

・ビタミンB1:豚肉、豆類、玄米など

・ビタミンB6:かつお、まぐろ、鮭、など

・ビタミンB2:さんま、ぶり、モロヘイヤ など

・ビタミンB12:あさり、しじみ、さば など

ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、摂り過ぎても問題はありません。

食物繊維

妊娠中はホルモンバランスの変化や、大きくなる子宮に腸が圧迫され、便秘や下痢の症状に悩まされる方が多くいます。食物繊維は腸内環境の改善に役立ちますので、積極的に摂りましょう。

食物繊維を多く含む食材は下記項目が当てはまります。

・さつまいも

・大豆

・ごぼう

・ひじき

・アボカド など

食物繊維には食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを排出したりする働きもあります。

妊娠中の食事で避けるべき食材

妊娠中の食事は、赤ちゃんに影響があるため、避けるべき食材もあります。ここでは避けるべき食材を2つご紹介します。

生もの

妊娠中は免疫力や消化機能が低下しやすくなるため、感染症や食中毒にかかる可能性が高くなります。感染症や食中毒を引き起こす可能性のある食材は下記項目が当てはまります。

・生肉(レアステーキ、ユッケ、ローストビーフなど過熱が不十分なもの)

・生魚

・生貝

・生卵

・生ハム

・パテ

・スモークサーモン

・非加熱のナチュラルチーズ など

ママと赤ちゃんの健康に悪影響を及ぼすものもあるため、新鮮な食材を選び、しっかりと加熱調理されたものを食べるようにしましょう。

アルコール

妊娠中の飲酒は、胎児アルコール症候群や発達遅延、中枢神経障害や先天性疾患を引き起こすリスクがあります。妊娠中、授乳期は禁酒が大原則です。

ノンアルコール飲料でも1%未満の微量なアルコールが含まれている場合があり、注意が必要です。雰囲気を楽しみたい場合には必ずアルコール分0.00%のものを選びましょう。

また、洋生菓子にもアルコール分が含まれているものがあります。食べる際には表示をよく確認してください。

妊娠中の食事で摂り過ぎに注意したい栄養素

妊娠中の食事では、時期によって赤ちゃんに悪影響がある栄養素や、絶対にNGではなくとも過剰摂取によって悪影響がある栄養素があります。ここでは摂り過ぎに注意したい栄養素を6つ紹介します。

カフェイン

カフェインは過剰に摂取すると、自然流産のリスクが上がったり、血管が収縮されて血流が悪くなり、赤ちゃんの発育を阻害したりする恐れがあります。

1日の摂取量の目安としては、濃さにもよりますがコーヒーであれば300ml、紅茶であれば450ml、煎茶、ウーロン茶であれば900ml程度までは問題ないとされています。

ビタミンA

ビタミンAは赤ちゃんの成長を促進し、免疫力を高める重要な栄養素ですが、過剰摂取には注意が必要です。妊娠初期の過剰摂取で、赤ちゃんの器官形成異常が起こりやすくなるといわれています。

目安として、うなぎの蒲焼は週1回まで、レバーは串焼きを週1本までにとどめましょう。

ヨウ素

ヨウ素はママにも赤ちゃんにも必要不可欠な栄養素ですが、過剰摂取により赤ちゃんの甲状腺機能が低下してしまうリスクがあります。

とくに昆布に多く含まれるため、お吸い物や佃煮を毎日食べるのは控えましょう。

昆布ダシを常用している方は、かつおや煮干しのダシに変更することをおすすめします。

ヨウ素は海藻類に多く含まれますが、わかめや焼き海苔に含まれる量はそれほど多くはありません。

ヨウ素系のうがい薬も使用を控えましょう。

ヒ素

ヒ素はひじきに多く含まれる栄養素です。過剰摂取すると健康な大人でも中毒症を起こす恐れがあり、赤ちゃんには奇形や脳障害などの悪影響があるともいわれています。

適切な摂取量は、小鉢1杯程度を週2回までが目安です。

水銀

水銀は一定量以上取り続けると、赤ちゃんの中枢神経などの発達に悪影響を及ぼすリスクがあります。水銀は食物連鎖を通して、大きな魚ほど体内に多く蓄積されています。

下記項目は1食80g、週1回までを目安としてください。

・めかじき

・金目鯛

・本まぐろ など

下記項目は1食80g、週2回までを目安としてください。

・まかじき

・みなみまぐろ

・くろむつ など

きはだまぐろ、ツナ缶、鮭、鯛など、特に注意が必要のない魚もあります。

魚は豊富なたんぱく質やDHA、カルシウムなど、妊娠中に重要な栄養素も多く含んでいます。適量の摂取を心がけましょう。

塩分

妊娠中に塩分を摂り過ぎると、むくみや妊娠高血圧症候群を引き起こすリスクがあります。必要なエネルギー量を摂ろうとすると、自然と塩分量も増えがちなので注意してください。

1日の塩分推奨摂取量は、6.5g未満です。インスタント食品やお惣菜、外食は比較的塩分量が多いため、カロリーとあわせて塩分量も確認する習慣をつけましょう。減塩の調味料を選ぶのもおすすめです。

妊娠時の食事で押さえておくべきポイント

妊娠時は赤ちゃんの健康と安産のために、適切な体重管理が必要です。そのために妊娠中の食事では押さえておくべきポイントがいくつかあります。ここでは妊娠時の食事において注意すべきポイントを3つ解説します。

体重の管理をする

妊娠中は、太り過ぎも痩せ過ぎもトラブルを引き起こしてしまうため、適切な体重管理が大切です。 

太り過ぎは妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、巨大児分娩、難産、早産のリスクを高めます。

また急激な体重増加は膝や腰に負担をかけたり、産道に余分な脂肪がついて赤ちゃんが下りてきにくくなったりするなどのリスクがあるため、普段の食事から太らない心がけが必要です。

一方で痩せ過ぎはママの栄養不足が原因で低体重(2,500g未満)の赤ちゃんが産まれやすくなるという報告があります。切迫早産や発育不良などのリスクが伴うでしょう。胎児期に栄養不足状態だった赤ちゃんは、産まれてからも必要以上に脂肪分や栄養分を溜め込む身体へと遺伝子が変化します。

よって高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症しやすくなるとも言われているため、適切に栄養を補うことがポイントです。妊娠前の体重からご自身のBMIを計算し、適切な体重管理に努めましょう。

※BMI=体重(〇kg)÷身長(〇.〇m)÷身長(〇.〇m)

BMIに応じた体重増加量の目安を理解する

妊娠前の体重からご自身のBMIを計算し、それに応じて出産までの体重増加量が下記の数値内に収まるように意識してください。

BMI 18.5未満(瘦せ型):12~15kg

BMI 18.5以上25未満(ふつう):10~13kg

BMI 25以上30未満(肥満1度):7~10kg

BMI 30以上(肥満2度以上):個別対応(上限5kgが目安)

週に500g以上の増加は要注意ですが、ふつう体型であれば臨月の時に理想体重から1kg程度の差であれば大きな問題はありません。太り過ぎも痩せ過ぎも、赤ちゃんの健康状態に影響したり、難産につながったりするリスクがあります。日ごろからBMIを意識して、適切な体重管理を目指しましょう。

妊娠時期に応じた必要なエネルギー量を意識する

18歳〜49歳の身体活動レベル1(低い)の女性の場合は下記の情報を参考にしてください。

非妊娠時 1,700~1,750kcal

妊娠初期 1,750~1,800kcal

妊娠中期 2,000~2,050kcal

妊娠後期 2,200~2,250kcal

授乳期  2,050~2,100kcal

※身体活動レベル1とは、生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合をいいます。

妊娠中は、赤ちゃんの成長やママの健康維持のために、適切なエネルギー摂取が重要です。とくに赤ちゃんが日ましに大きくなる妊娠中期は、非妊娠時よりも+300kcal、妊娠後期は+500kcalのエネルギー摂取が必要となります。赤ちゃんと自分の健康のため、上記の数字を日々意識して、時期に応じたバランスの良い食生活を心がけましょう。

まとめ

知っていたものもあれば、意外で驚いたものもあるかもしれません。バランスの良い食事を摂り、家族の健康を意識することは、赤ちゃんが産まれてからもとても重要です。

うっかり赤ちゃんに悪影響のあるものを摂り過ぎて後悔することのないよう、日ごろから積極的に摂りたいもの、過剰摂取に注意すべきものなどを頭の中に入れておきましょう。

とはいえあまり気にしすぎてもストレスになるため、無理のない範囲で、日々の食生活の改善を心がけることが大切です。

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